フィリピンで長期間のリモートワークを始めてみた
はじめに
こんにちは、中山です。
クラスメソッドではリモートワークでの就業が可能です。所属部署や関わっている案件などによって多少違いはあるのですが、基本的に前日までにリモートワーク申請をチャットで連絡するだけで取得できます。弊社が厚生労働省の「短時間正社員制度導入支援事業」や東京都の「東京ワークライフバランス認定企業」などの認定を受けていることからも分かるように、自由な働き方を実現できる環境があります。
私も以前から度々このリモートワーク制度を利用していたのですが、今回は国内ではなく 海外でリモートワーク をしてみました。私は現在フィリピンのセブ島で長期間のリモートワークをしています。
- フィリピンの「国民食」Jollibeeのマスコット
以前初めて東南アジアを旅行で訪れたところ一発でその魅力に取り憑かれてしまいました。南国特有のムワッとしつつしかしどこか爽やかなその気候、異なる文化背景を持つ現地の人々と交わすコミュニケーションの楽しさ、急速な経済成長と今なお残る旧来の暮らしぶり、などなど日本ではなかなか経験できない世界がそこにはありました。こういった国々で生活できればなぁと思い、上司、チームメンバー、そして現在一緒に働かせていただいているお客様に相談したところ「OK、いってきなよ」と了承を得られたので現在セブ島でリモートワーク中です。
なぜフィリピンなのか
東南アジアに興味があることは書きましたが、なぜその中でも今回フィリピンを選んだのか。その理由を以下に記載します。
以前東南アジアへ旅行した滞在先はタイです。その時は単なる観光旅行でした。タイでリモートワークするというのももちろんありだと思いますが(特にチェンマイはリモートワークを始めとする長期滞在しやすい場所として有名)、長期間暮らすことを考えると日常的に英語が通じる環境の方が向いていると判断しました。その点からまず最初に東南アジア地域で英語が普及している国としてフィリピン/マレーシア/シンガポールの3つに絞りました。もちろん他の国でも地域によっては英語が比較的通じる場所(例えば観光地など)もありますが、現地エンジニアとの交流も実現したい目標なので国全体として英語が普及している国々を選択しました。
上記3カ国のうちフィリピンを選んだ理由は複数あります。
- 物価が1番安い(長期間滞在する上で重要)
- 日本からの距離が1番近い(成田から約5時間)
- 知り合いの方がすでに現地に住んでいる(セブ島を最初に選んだ主な理由)
- すでにある程度の日本人コミュニティが形成されている(上記含めてやはり同じ日本人の助けがあるとありがたい)
- オンライン英会話ですでにフィリピン人と会話したことがあり親近感があった
- 日本との時差が1時間(日本のメンバーとやり取りする上で重要)
こういった理由を元に今回はフィリピンを滞在先として決めました。
なぜ東南アジアなのか
上述した滞在先の選定理由はどちらかというと個人的なものが中心です。が、もちろん社員という観点からも東南アジア地域と関連を持つべき理由はあります。すでにお詳しい方には釈迦に説法かもしれませんが、以下その理由を記載してみます。
2017年時点で、日本の貿易相手国はアメリカを上回り、中国に次いで東南アジア地域(ASEAN加盟国とします)が第2位に位置付いています。また、その安定的な成長率から世界の成長センターとなりうると予測したホワイトペーパーも存在します。
2015年、ASEANで経済的な観点からの統一を推し進めるべくASEAN経済共同体(AEC)が発足しました。この計画が順調に進めば6億5000万の巨大市場が形成されることになり、人口としては中国、インドに次いで第3位に位置付きます。
こういった統計/数値が示しているように、今後この東南アジア地域で事業を展開していくことは日本の企業(当然クラスメソッドも含む)にとって魅力的な機会になることは間違いありません。つまり、東南アジア地域に何らかの関わりを持っていることは企業にとってビジネスチャンスになりうると考えます。
その「関わり」の一助になれればという思いがあります。
海外でのリモートワークで何をしたいのか
行きたい理由は述べましたが、そこで何をしたいのかをより詳細に記載したいと思います。
まず第1の目標は 海外であっても以前と同じ水準で働くことが可能である とクラスメソッド社内およびこのブログを通して外部に示すことです。冒頭で上司、チームメンバ、そしてお客様から了承をもらった旨記載しました。了承をいただけたことは本当に感謝しています。と、同時に責任感も感じています。なぜなら、オフィスに出社することで可能であったこと、特に気軽な会話を通したコニュニケーションは仕事を進める上で非常に重要な要素、が不可能とは言わないまでも従来の方法ではできなくなるわけです。これは国内でリモートワークする場合であっても同じですが、海外に住むことで基本フルリモートとなる点が違います。こういったマイナス面を感じさせないようにこれまで以上に成果を出すことが第1の目標、というか達成すべき最低ラインだと認識しています。
第2の目標は現地日本人、フィリピン人含めたエンジニアと関係性を築くことです。私は今回のリモートワークを「海外で働いてみました楽しかったですまる」で終わらせたくありません。 社員が海外で働いていることによるメリット を提示したいと思っています。その実現方法はいろいろ考えられますが、今回私が目標としているのが関係づくりです。日本、というかどの国であっても同じだと思いますが、対面で話すことによって築ける関係があるはずです。すでにアジェンダが設定されたミーティングではなくそれ以前の会話の中から生まれる関係性、「〇〇については☓☓さんが詳しいので聞いてみよう」、「そういえばフィリピンに今〇〇さんがいたな」などなど。こういった関係は現地にいることによって得られるメリットだと考えています。会社の初期段階ではどこも同じだと思いますが、こういった気心知れる相手とのやり取りを通して事業が発展していきます。その土台となりうる関係を作っていくことが第2の目標です。
最後の目標は このブログを通して東南アジア地域に興味を持つ人を増やすこと です。私が東南アジア地域に興味を持つ理由を改めて考えてみたのですが、その根本には「予測不可能であること」が存在すると思い至りました。日本でこのままずっとエンジニアをし続ける将来像を決して否定するつもりはありませんが、私にとってそれは大体どうなるか予想できることに感じてしまっています。平たく言うと「退屈」です。数十年間暮らした日本を離れて東南アジア地域に暮らすことは、今の私には将来的にどうなるか予測不可能です。かつ、それがよい結果になるのかそうでないのか全く分かりません。しかし、同時にそれは私にとって日本で暮らし続けるよりも挑戦する価値のあることだと思っています。失敗する可能性を含めて日本に居続けるより「楽しそう」だからです。他の日本人の方にも同じように考える方は決して少なくないはずです。そういった方々に対して東南アジア地域で暮らすことによる楽しさを提示していきたい、それが最後の目標です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このエントリではフィリピンのセブ島でリモートワークしていることをご紹介しました。今後も現地からの情報をフィリピンだよりシリーズでご紹介していきたいと思います。例えば働いている環境、現地での暮らしぶり、そして海外と国内でのリモートワークによる違いなどなど。
また、フィリピンにはさまざまなエンジニアコミュニティがあります。例えば私が専門としているAWSのコミュニティもあるようです。フィリピンを始めとする東南アジア地域ではどういった技術が使われているか興味がありませんか?コミュニティへの参加を通してそのような情報もご紹介できたらと思っています。
東南アジア地域でのキャリア形成に興味はありませんか?
私は現在1人で現地に滞在していますが、できれば同じく東南アジア地域に興味のある仲間と一緒に働きたいと思ってます。フィリピンを始めとした東南アジア地域でのキャリア形成に興味がある方はいませんか?今回私はリモートワークというある種「裏技」的な方法で現地に暮らしていますが、同じ志を持った仲間と仕事をしたいというのが本音です。
クラスメソッドには複数人同じ地域に居住している社員がいるとオフィスを作るという伝統があります。人が集まることで可能な活動範囲が広がります。単に海外で日本の仕事をするのではなく、人が集まりオフィスができることで自立した組織・チームとして仕事ができる可能性があります。
現在弊社では複数の職種で人材を募集しています。
また、頻繁に会社説明会を開催しています。少しでも興味を持っていただいたらぜひ参加してみてください!